鎮守府新聞ワレアオバ│Naval District Newspaper Ware Aoba

遠征報告:FLEET WEEK 艦艇一般公開(横須賀)
2015.10.10

どうも、青葉です。

海上自衛隊では観艦式を盛り上げるため
観艦式までの2週間をFLEET WEEKと名付けてさまざまなイベントを開催しています。

横須賀地方総監では艦艇の一般公開が行われているため、
海上自衛隊カレーフェスタを堪能した足でそちらも巡ることにします。


地方総監の入り口には観艦式用のゲートがありました。
ちょっとした文化祭気分ですね。

今回、逸見岸壁には艦艇の姿は無く立ち入り禁止で、奥の吉倉桟橋に集中して停泊していました。

Y-1に「あたご」「むらさめ」「きりしま」。
Y-2に「てるづき」。
Y-3に「いかづち」「おおなみ」「くらま」。
Y-4には海外艦と思しき軍艦がいます。

吉倉桟橋へといく途中には陸上自衛隊が車両展示をやっていました。



海自のイベントなのに協力するんですねえ。と思っていたのですけど
考えて見ると観艦式は『海上自衛隊~』ではなく、
『自衛隊観艦式』ですから、
海自だけではなく、陸自、空自が参加するのは当然なのかもしれませんね。
(観艦式には空自のブルーインパルスが参加しています)

他にも、自衛隊グッズを扱う売店も出ていて、青葉は鞄とか欲しいものは色々あるんですけど、
迷彩柄とか実用性とか考えると少し考えちゃいますよね。

公開艦艇は手前(Y-1、Y-2)の4隻だというので、あまり混んでいない「てるづき」から見学。

てるづきはあきづき型護衛艦の2番艦。

艦これにも夏イベントの最終海域突破により「照月」が艦隊に加わりましたね。
Acnos艦隊は名誉は得られませんでしたが、何とか彼女をお迎えできました。




あきづき型護衛艦は日本の最新技術を結集した高性能な防空システムを備えており、
和製イージス、またはミニ・イージスの愛称で呼ばれ、
ミサイル護衛艦(イージス艦)が防衛活動中、僚艦防衛の役割が期待されています。

それはさながら秋月型防空駆逐艦の役割を現代風に受け継いでいることから
「あきづき」の名を継承したそうです。

「てるづき」の艦ロゴマークには照る月をイメージしたものに加え、
イージスを思わせる女神が描かれたものもあります。



つづいては、団子三兄弟状態の「あたご」「むらさめ」「きりしま」。
イージス艦2隻に挟まれた「むらさめ」の存在感…(汗

桟橋から「きりしま」に乗艦して「むらさめ」を経由し、「あたご」に行くルートになっていました。
護衛艦から護衛艦に乗り移るなんて青葉も初めてです。

まず「きりしま」



次に「むらさめ」



そして「あたご」へ。



艦艇の一般公開は艦周囲をぐるっと回らせる程度がほとんどなのですけど
「あたご」は艦橋に入れていただけました。

まあ青葉の時代と違い艦橋は操舵室であって戦闘指揮所ではないので
公開自体にセキュリティ的なものはさほどないと思いますけど。

以前「たかなみ」の艦橋に入らせてもらったときも感じた通り
さほど広いわけでもないので大勢が押し掛けるには不適当なんでしょうね。



やはり広いというほどでもありませんでした。
列の流れに従うとさほど長くも居られず、印象的な事物も特にありませんでした。

艦橋から降りてもう終わりかなあと思って
案内役の乗組員さんに「艦内神社はあるんですか?」と聞いてみました。

すると「この先で見られます」と意外な回答が……

え?見せていただけるんですか!?

旧海軍の伝統を受け継ぐ海上自衛隊でも艦内神社が奉られています。
なかなか一般公開時でも参拝することが出来ないので、
青葉は数年前に見学した「しらせ」のものしか見たことがありません。
(記念艦三笠にも艦内神社がありますけど、現役艦ではありませんし)


移動中、案内にイラストが描かれているのを見かけました。
そういえば甲板に行く途中にもイラストがありましたねえ。
乗組員の方が描かれているんでしょうか?

「あたご」が舞鶴で公開されたときは
艦これの愛宕さんのタペストリーを飾っていたこともあるようなので、
今回もどこかで公開しているかもしれませんね。


そしてついに「あたご」の艦内神社に参りました。

「あたご」の艦内神社の本社は、重巡愛宕と同様に京都右京区にある愛宕神社です。
愛宕神社は全国で900社あるそうですが京都の愛宕神社が総本社です。

奉られている神様が多くてどの方が主祭神なのか良くわからないのですが、
一般的には火伏せ・防火に霊験のある神社として信仰を集めていて、
「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた愛宕神社の火伏札を
台所などに飾るのが京都に古くから習わしとして伝わっているそうです。

イージス護衛艦に火伏の神社というのは案外マッチしているかもしれませんね。

神社の先には操縦室が見学者に解放されていました。
昔でいうところの機関室ですね。

そこにいました愛宕さん。
乗組員の私物なんでしょうかねえ。

機関そのものはコンピュータ制御なので文字通り操縦するための部屋となっています。


窓の無い室内なので、何となく作戦司令室みたいな感じがしますね。


艦全体を示す図があったりして状況がわかり易くなってい……
何か居ますね。


こっそりでしょうけど、F-X(次期主力戦闘機)を公開しちゃうのはまずいですよ!?


機関長席にも「あたご」さんイラストを発見。
上手いですよね……。

入り口にもありました。


少し進んだ先の舷側に角材が置かれていました。

これは何に使うかというと、ダメージコントロール(ダメコン)に使用します。

適当な大きさに切断して使用するそうです。
あとは万が一の時の……

軽巡矢矧が沖縄出撃の際に大量の角材を積載して出撃したと伝わっていますが
ダメコンの用途もあったのかもしれませんね。


「あたご」では食堂が開放されていて、付属の自販機で飲み物も購入できました。
自販機の中に何か居ますけど。


艦スタンプと「あたご」さんイラストも大量に用意されてました……
堂々と愛宕さんが描いてありますね。

普段はなかなか見られないイージス艦の内部が見られてよかったです。

吉倉桟橋奥側に行きます。

「いかづち」「おおなみ」「くらま」は残念ながら公開されていませんでした。

特に「くらま」は「しらね型ヘリ搭載護衛艦(DDH)」として
昭和55(1988)年の就役から艦齢が35年を越え、
現在、横浜・磯子のジャパンマリンユナイテッドで艤装中の「かが」が
2年後、平成29(2017)年の就役と交代で退役が決定しています。
(1番艦「しらね」は、今年「いずも」の就役と交代で退役済み)

観艦式への参加も今回が最後。

最後の花道ではないのでしょうけど、
観閲艦として自衛隊の最高指揮官、安倍総理が乗艦することになっています。

ちなみに護衛艦として蒸気タービンを採用した最後の艦だそうです。

吉倉桟橋からは


迎賓艇「はしだて」、多用途支援艦「えんしゅう」のほか
横須賀には普段はいないミサイル艇などが見ることが出来ました。

さて一番奥のY-4には外国の軍艦が停泊中でした。
まあ厳密に言うと米海軍も外国の軍艦ですけどね。

今年の観艦式には招待艦として豪州、印度、仏国、韓国から軍艦が来るそうです。


艦へ渡る連絡橋には「HMAS Stuart」の横断幕がかかってますね。
えいちますすちゅあーと?

どこの艦で……


うん。青葉理解しました。豪州艦ですね。
このマークでそれ以外なはずがありません。

「HMAS Stuart(スチュアート)」は豪州海軍のアンザック級フリゲートの4番艦。
英国のスチュアート朝に因んだ艦名だそうです。

フリゲートという艦種は日本では漢訳されておらず、
日本から漢訳を輸入している中国では「護衛艦」「巡防艦」と訳しているそうです。
大まかに言うと駆逐艦より小型・低速の艦を示すようです。
日本海軍だと「海防艦」がそれに当たりますかねえ。

任務は排他的経済水域(EEZ)警備が主のようです。
現在の日本でいうと海上保安庁の巡視船と同じようなものでしょうか。
もっともフリゲートも大型化しているそうで
「スチュアート」は海上自衛隊の「はつゆき型護衛艦」くらいの排水量があります。

運用思想の違いがあるのでしょうけど

艦橋の前にハープーンが有ったりとおもしろいですね。

FLEET WEEKの艦艇公開は横須賀、横浜、木更津の3か所で行われていますが
他国の艦艇は他の場所にいるんでしょうかねえ。

以上、青葉でした。

FLEET WEEK 艦艇一般公開(横須賀)

平成27年10月10日(土)10:00~16:30(受付終了)
横須賀地方総監部・吉倉桟橋
公開艦艇:「きりしま」「むらさめ」「あたご」「てるづき
関連ページ:FLEET WEEK:海上自衛隊:平成27年度自衛隊観艦式

青葉写真館
本文で紹介できなかった写真たち

電灯艦飾(イルミネーション)
FLEET WEEK開催中の19時から21時まで、艦首からマスト、艦尾までを電灯が彩りました。
・吉倉桟橋(横須賀地方総監)

・横須賀新港


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