鎮守府新聞ワレアオバ│Naval District Newspaper Ware Aoba

遠征報告:艦内神社の本社巡り(練習巡洋艦鹿島・香取)
2017.03.20

どうも、青葉です。

今日は久々に艦内神社の本社巡りに参ります。

元旦に軽巡「多摩」の艦内神社本社である大國魂神社へ参りましたが、
参拝者が多かったこともあって、参拝もそこそこ、ご朱印も頂かないという
やや残念な結果となりました。

今回は当初、
群馬県赤城山麓にある三夜沢赤城神社へ空母赤城の艦内神社を尋ねる予定でした。

やや駅などからは遠い事もあり、
レンタカーなどを借りて参拝をと考えていましたが
群馬在住のフォロワーさんからまだ地面凍結などがあるという情報により断念。

それ以外の場所を探した結果、
練習巡洋艦「香取」「鹿島」の艦内神社である香取神宮、鹿島神宮が
関東西部の比較的に近い場所にあるため両方巡れて良いのではないかと考え、
ごむを司令とともに向かうことにしました。

少し先へ行った茨城県大洗市の大洗磯前神社にも軽巡「那珂」の碑があるのですが、
いまの大洗市は戦車おじさんが闊歩する状況にあり、
艦娘の青葉が行くと吊るされる可能性が高いので断念しました。
※嘘です


わりと朝早めに出たのですが、

鹿島神宮の最寄駅、JR鹿島神宮駅に到着したのは11時前でした。遠い。

鹿島は剣聖、塚原卜伝の生誕の地といわれ、どちらかというと青葉もそちらで知っていました。

駅から鹿島神宮へと向かう道の途中に卜伝像が。


鹿島神宮の鳥居に到着。

青葉がずっと以前に来たときは御影石で出来ていたのですが、
去る2011年の東日本大震災の余波で倒壊し、
2014年に境内の杉の木から加工したもので再建されたそうです。
でかい。

鹿島神宮は由緒によれば
皇紀元年(紀元前660年)、神武天皇の命により、この地に祀られたのを創建としています。

御祭神は「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」。
建御雷神とも書きますね。

日本神話において雷神、かつ剣の神とされ、
経津主神(ふつぬしのかみ)とともに出雲に天降り、
大国主命(おおくにぬしのかみのみこと)と国譲りの交渉を行ったとされています。

このときに大国主命はふたりの息子に判断を委ねました。
息子のひとり、事代主は(ことしろぬし)はすぐに承諾したものの、
もうひとりの建御名方神(たけみなかた)は力比べを持ちかけてきました。
しかし結局武甕槌に一捻りにされて遁走。
追いかけてきた武甕槌に諏訪で追い詰められ、命乞いをして諏訪に鎮座したとされています。
この出来事から武甕槌を相撲の元祖としているそうです。

日本神話は馴染みが薄いので雑多な知識しかないのですが。
(なお中の人は神社系の大学出身です)

ごむを司令が武甕槌というロボットのプラモを友人に頼まれて途中まで作ったことがあるというので、
それは戦術機ですねと回答したら知らないと言われました。おのれ。
スマフォで画像見せたら納得していただけましたが。

武甕槌は鹿島に祀られたことから鹿島神とも呼ばれ、
武神として多くの武士に崇められることになります。

特に徳川家は初代家康が奥宮、二代秀忠が本殿。

楼門は水戸徳川初代の頼房が奉納したものだそうです。


本殿にて武運長久、深海棲艦撲滅、レア艦ドロップを祈って
奥宮に向かいます。


奥宮へと向かう道は奥参道と呼ばれ、両側に杉の木が立ち並びます。
鳥居に使った木もこの中から切り出したという事なんでしょうね。


途中、君が代にも歌われるさざれ石がありました。

その横には鹿園。
説明によると神使(神の使い)として飼育されており、
奈良の春日大社創建の折には神鹿の背に分霊を乗せ、多数の鹿を引き連れて奈良へと向かったとされ、
奈良の鹿の発祥は鹿島神宮とされているそうです。

そういえば『鹿島』の地名にも『鹿』の字が入ってますね。


奥宮到着。
こちらは関ヶ原での戦勝の御礼として徳川家康が奉納。
もともとは現在の本殿の位置にあったそうですが、
本殿を造営するにあたり、今の位置に移動させたとのこと。

で、鹿島といえば
艦これ的には有明の女王こと練習巡洋艦「鹿島」さん。

ごむを司令がねんどろを持ってきてくれたので、奥宮を背景に1枚。


さらに奥には要石がありました。
これは地震を起こす大鯰の頭を武甕槌がこの石で押さえたとされるもの。
黄門さまこと徳川光圀が七日七晩掘り返させたものの、
端まで掘り当てることが出来なかったとか。


本殿まで戻って宝物殿を見学。
「鹿島」関係のものは何かあるかなと見てみましたら、
初代「鹿島(戦艦)」についての展示が少しだけありました。

まあ戦艦「鹿島」は戦歴こそさほどではありませんけど、
お召艦や昭和天皇が皇太子時代の渡欧に際しての随艦を務めていますからねえ。

ちなみに戦艦「鹿島」はワシントン海軍軍縮条約により廃艦となるのですが、
その主砲塔は陸上砲台に転用され、1基が横須賀・千代ヶ崎砲台に置かれました。
戦後に廃棄されるのですが、跡地は民間に売却されて見学することが出来ないのですよね。

最後にご朱印を頂いて鹿島神宮をあとにしました。

鹿島神宮

JR鹿島神宮駅より徒歩10分
URL:http://kashimajingu.jp/


ごむを司令より、鹿島神宮から少し太平洋側に行ったところに
特攻兵器「桜花」を運用した神雷部隊がいた神之池海軍航空隊基地跡があり、
今は新日鉄住金の工場となっているのですが一部は公園になっていて、
そちらに1基だけ掩体壕が残されているとの情報。

バスを利用していけなくはないですが、
このあとに香取神宮へと行くことも考えてタクシーを使って向かうことにしました。

運転手さんにそんな場所に何をしに行くのかと尋ねられて事情を説明すると
その近くの幼稚園に戦闘機が置いてあると教えていただきました。

調べてみると子鹿幼稚園というところに
用途廃棄となったT-2型の高等練習機が展示されているとのこと。

うーん……そっちはいいかなあ。
と断り、掩体壕の残る桜花公園へと向かっていただきました。


到着すると、なんか提灯などが飾られていて少し派手?
6月には戦没者慰霊祭、8月には茨城県護国神社による「みたままつり」が
毎年行なわれているようですが……どっちも時期は遠いですよね。


一角には慰霊碑が奉られ、由来を示す金属の半球もありました。


お祭りの際に使用されたのか桜花を吊った一式陸攻の模型なども。


そして残された掩体壕には復元された桜花が。

ひっそりとではありますが、こうして記憶を留めておくのは大切だと思います。

桜花公園

JR鹿島神宮駅よりバス20分程度


どういうわけか、
タクシーの運転手さんも桜花公園を見学されていたので
帰り道もお願いすることに。

戦闘機(T-2練習機)のある幼稚園に寄って見ていきなさい。
行きと同じ値段でいいからと言われ、ご厚意に甘えることに。

それがこれ


どういう経緯でこちらに置かれているのか
調べてみてもさっぱりわからないのですけど。
本物が身近にあるというのは羨ましいですね。

子鹿幼稚園

JR鹿島神宮駅より自動車で16分程度
柵越しでのみ見学可能


鹿島神宮と桜花公園で存外に時間が取られてしまいましたが、
香取神宮に向かいます。


最寄の香取駅へは鹿島神宮駅から約20分くらい。
無人駅ですが香取神宮を意識した紅い駅舎が良い感じ。

さて、ここからは青葉のフィールドワーク名物、歩きです。
香取駅から香取神宮まで約2キロ。
まあこれくらいはふつーふつー。

香取神宮の御祭神は「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」
鹿島神宮に奉られる武甕槌とともに出雲へ降りた経津主神(ふつぬしのかみ)のことです。

ややこしいのですが
武甕槌と経津主神は史料によっては、同一であるともされています。

フツは刀剣の鋭い様を表した言葉とされていて武甕槌同様に武神として武家に崇められ、
現在の本殿は徳川幕府によって造営されたとあります。

時代劇の剣術道場には「鹿島大明神」「香取大明神」と2つの掛軸が掛けられていたりしますね。


20分ちょっとかけて到着。
かなり遅めだったので、すぐに参拝をしてご朱印をお願いします。

ご朱印の待ち時間に境内を散策。


こちらには海上自衛隊の練習艦「かとり」が平成10(1998)年の除籍後に
命名由来となったこちらに主錨を奉納したと聞き、探してみると……ありました。


ここで青葉持参のねんどろ「香取」先生と。

そして本殿背景にしてもう1枚。

そんなこんなしているうちに

なんと、宝物殿が閉まってしまいました。

こちらには国宝の海獣葡萄鏡のほか、
戦艦「香取」の艦首を飾った菊花紋章が展示されている模様。

ちなみに戦艦「香取」は昭和天皇が皇太子時代に渡欧した際のお召艦を務めています。

「香取」はヴィッカーズ社製。「鹿島」はアームストロング社製。
ともに英国で建造されました。

渡欧時はすでに国産戦艦が建造されていましたが、
英国への好誼(こうぎ)の表現として英国産の2隻が選ばれたようです。

うーん、見学できなくて惜しかった。

参拝を終えて駅へと戻る途中、「要石」の看板を発見。

向かってみると、鹿島神宮同様に石が奉られていました。

どうやら、こちらは大鯰の尻尾の抑えであるとのこと。
ちなみに鹿島神宮から香取神宮の二つの要石を一直線で測った場合、
13.5kmありました。でかい……

香取神宮から香取駅にもどると17時を過ぎたあたりでした。
まだ早いので寄り道でもと思っていたのですが、横須賀にもどるには約3時間半。
断念してそのまま帰ることにしました。

また機会があれば、艦内神社の本社を巡りたいと思います。

以上、青葉でした。

香取神宮

JR香取駅より徒歩30分程度
URL:https://katori-jingu.or.jp/

↑ PAGE TOP