鎮守府新聞ワレアオバ│Naval District Newspaper Ware Aoba

遠征報告:FLEET WEEK 艦艇一般公開(横須賀)2
2015.10.17

横須賀よ!青葉は帰ってきました!


海外艦の国旗が飾られた今日の横須賀地方総監は
逸見岸壁には仏国海軍フリゲート艦「VENDEMIAIRE(ヴァンデミエール)」と
印度海軍フリゲート艦「SAHYADRI(サヒャドリ)」

吉倉桟橋には、
先週は「てるづき」がいたY-2に韓国海軍の駆逐艦「大祚栄(テジョン)」
Y-4には豪州海軍フリゲート艦「HMAS Stuart(スチュアート)」が先週同様に。

Y-1の「きりしま」「むらさめ」「あたご」と
Y-3の「いかづち」「おおなみ」「くらま」は先週と同様でした。

横須賀に到着した時点で14時半を過ぎていて、一般公開終了まで約2時間。

急いで「Stuart」から見学します。

連絡橋を渡ったら縄が敷いてありました。
変わった玄関マットですねえ…


艦橋の前にハープーンが気になります。


速射砲はやや日本の護衛艦に比べて砲身が短いですかねえ。


艦ロゴというよりもはや紋章ですね。
ちょっと格好良く見えます。


魚雷発射管。
日本のものとはちょっと違いますかねえ


新井掘割水路から巡視艇「ゆうづき」の後に続く軍港めぐりの船が見えました。
長浦港の方にも艦艇がいたのでしょうから、軍港めぐりも色々見えたでしょうねえ。


後部甲板のヘリポートでは哨戒ヘリ(S-70B-2 シーホーク)が展示されていました。
早く来れば携帯銃器の展示があったようですけど、青葉が到着したころには終わっていました。
残念です。


シーホークのキャビンの扉には……
ドアガンと言うやつですねぇ。

聞いた話ではソマリア沖の海賊対処活動では
海上自衛隊もSH-60Kにドアガンを備えて活動しているそうですが、
日本だとこのようには展示してくれませんからねえ……

活動を知るという意味ではそういうところも見せるべきであり見るべきなのですけど。

自分の信じる者以外、対話の姿勢も見せない人たちが、
戦争は対話で回避できると信じているのですから不思議ですね(棒

シーホーク担当の軍人さんがやたらフレンドリーでした。


続いて「大祚栄(テジョン)」に。



「大祚栄(テジョン)」は李舜臣級駆逐艦の3番艦。
艦名は中国大陸の古代王国、渤海の初代王に由来します。
渤海は朝鮮半島北部から現在のロシア沿岸部にあった王国で、
日本とは奈良時代の聖武天皇のころから交流があったそうです。

総排水量5500トンだそうなので、あさぎり型護衛艦より少し重いくらい。
船体は後継のむらさめ型護衛艦とほぼ同サイズとのことで、あさぎり型よりも大型化しているのですが
上部構造物に軽量なアルミ合金を使用しているので排水量が少ないとか。

ただ、アルミ合金は高温に弱いため、現在の海自の艦艇では使用されていません。

機関はCODOG方式という巡航時にディーゼルを用い、
高速時にガスタービンを切り替えて使用する方式を使用していますが
採用している機関配置はコンパクトになっている半面、
生存性やダメージコントロールに難があるようです。

ステルス性を考慮しているのか艦の舷側が一切露出していないのが特徴ですね。

他の艦は連絡橋を乗艦、退艦と2つ使用していましたが、何故か「テジョン」は艦尾に1つだけでした。

後部甲板のヘリ格納庫ではPR映像が流れていましたが見ている余裕がないのでした。
映像再生に使っているパソコンはさすがのサムソンでした。

左舷側の艦内通路を通って艦首方面へ。
艦内は撮影禁止とのことでしたが、練習風景などの写真が飾られていて、
説明文にはハングルとともに日本語表記がありました。
ちょっと意外ですねえ。


艦首方面にでました。
単装砲もステルス性に配慮した62口径5インチ単装砲。
「あたご」にも同様の単装砲が備えられています。

まあなにかと日本と衝突しがちな韓国の海軍艦ですが
乗組員は挨拶をすれば返してくれる程度にはフレンドリーでした。


時間が無くなってきましたので、急いで「SAHYADRI(サヒャドリ)」へ。


途中、横須賀総監が誇る「ちびしま」が展示されてました。

ん? その下に……「ちびりゅう」!?
確実に戦力が拡充されていますねえ。


観艦式ゲートのミニチュアもあったので、記念撮影しました。
……と、それどころではないですね。


「サヒャドリ」は2012年に就役したばかりの最新鋭艦です。

ロシア製のタルワー級フリゲート艦をベースに、
インド国内で建造されたシヴァリク級フリゲート艦の3番艦。
艦名はインドにある丘に因んで命名されているそうです。

ステルス性が十分に留意された設計になっていて
内火艇の格納スペースも外壁で覆ってまるまる船体に収めています。

特徴的な武装は

「はたかぜ」のターターミサイルに似た「シュチーリ (SA-N-12) 」。
ロシアの防空ミサイルシステムの輸出版だそうです。
それとは別に8セルのVLSもあったりします。


そして艦橋前に備えられたポンデリング……
じゃなくて「RBU-6000対潜ロケット12連装発射機」
なんとソ連時代に開発された兵器だそうです。


単装砲身の先端に取り付けられた抑気具(砲口栓)が他国では類を見ないくらいにオシャレでした。


艦内に入ると謎の等身大看板。
印度の方々を遠く感じますねえ(汗)


後部甲板ではヘリ格納庫の片側で観光案内のような映像を流していました。
おもてなしでビスケットを頂きました。



最後に「VENDEMIAIRE(ヴァンデミエール)」
この時すでに公開時間が残すところ15分というギリギリでした。

「ヴァンデミエール」はフロレアル級フリゲート5番艦。
艦名はフランス革命暦の葡萄月に由来するとのこと。
睦月型駆逐艦と友達になれそうですねえ。

ヨーロッパからわざわざ来ていただいたのかと思いきや、配備先は南太平洋。
オーストラリア大陸の東方にある仏領ニューカレドニアの首都、ヌメアだそうです。

そもそもフロレアル級フリゲート艦自体、
フランスの海外領土や経済水域の警備を主任務としているそうです。

従来は通報艦という、より小型の艦艇を使用していましたが、
冷戦後の時代の必要性に応じ、大型で汎用性の高い監視フリゲート艦として整備されたのだそうです。

コスト削減のために商船構造で建造されているそうで、
役割と3000トン未満の排水量で考えると海保の巡視船に近いのかもしれません。

「ヴァンデミエール」はたびたび来日しているようで、
2012年2月に九州北西海域で行われた日米仏親善訓練以来のようです。


日除け天幕が貼られた後部甲板に何故か樽。
今のご時世に何に使うのか気になるところです。



艦橋前の主砲は「Mle.68 CADAM 100mm単装砲」。
「はたかぜ」や「くらま」の73式54口径5インチ単装速射砲のように
おそらくは自動制御に改修されていると思いますが、
砲員が入って射撃ができる様にもなっているそうです。
双眼鏡がむしろ普段から手動ですみたいな感じですが。

どうやら艦橋に入れてくれるらしく、長い列ができていました。
しかし並んでいる途中で公開終了のサイレンが……

え?まだ大丈夫なんですか?

列が切られる様子もなかったのでそのまま並び続け、

艦橋です。

去年見た掃海艇くらいの広さですかねえ。
内部のパソコンはHPだったりDELLだったりいろいろで、SHARP製の液晶モニタもありました。

艦長席もこじんまり。


操舵装置はヨットみたいな感じですねえ。
艦橋の真ん中ではなく左舷側に拠っているのもなんだか不思議な感じがします。

乗組員に「メルシー」とお礼を言って
「ヴァンデミエール」から退艦すると「蛍の光」が流れていました。

ヴェルニー公園に移動すると、
満艦飾が畳まれ、マストなどには明かりが灯っていきました。

19時からの電灯艦飾に備えて休憩しようと某酒保に向かったのですが生憎と満席。

致し方なく別の店に行ったところ、青葉は横須賀の闇を知ることにあったのでした……
(怖いので書きません)


電灯艦飾はこの通りです。
船越基地(長浦港)の方でも行われていたそうですが、
そこまで行く手段が無くて見られなかったのが残念です。

FLEET WEEKも明日の観艦式本番をもって終了。
残念ながら青葉は動画配信での観閲になりますが例年にない濃厚な艦艇見学ができてよかったです。

3年後は体験航海に参加したいものですねえ。

確実に参加するには……
青葉が総理大臣になればいいんですかねぇ。

以上、青葉でした。

FLEET WEEK 艦艇一般公開(横須賀)

平成27年10月17日(土)10:00~16:30(受付終了)
横須賀地方総監部・吉倉桟橋/逸見岸壁
公開艦艇:「STUART(豪)」「VENDEMIAIRE(仏)」「SAHYADRI(印)」「大祚栄(韓)」
きりしま」「むらさめ」「あたご
関連ページ:FLEET WEEK:海上自衛隊:平成27年度自衛隊観艦式


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