鎮守府新聞ワレアオバ│Naval District Newspaper Ware Aoba

遠征報告:走水水源地と「はいふり」ファンイベント(1/2)
2017.04.01

どうも、青葉です。

今日はまず、走水水源地に参ります。

走水水源地は横須賀製鉄所(造船所)の首長だったフランス人技師、ヴェルニー氏が
工場に必要な水を確保するために建設した日本でも早期な近代水道施設です。

海軍専用水道として長らく使われていましたが、
日露戦争後の軍備増強で水需要が増して供給不足となり
相模川の支流、中津川から取水する半原系統の水道が建設されます。

この半原系統が軍港水道として整備されると余裕が生まれ、
走水水道施設が横須賀市に無償貸与され、市営水道となりました。

昭和の初めに軍事需要の増加で返還を申し出されることもあったそうですが。

終戦により軍港水道の施設や職員は横須賀市に引き継がれ、
GHQによる接収などを経ましたが、
昭和29(1954)年に無償譲渡により名実ともに横須賀市の水道施設となりました。

昨年制定された日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」の構成文化財にも認定されました。

ちなみに半原系統からの水道管が敷設された道は現在も「水道みち」などと呼ばれています。
残念なことに平成27(2015)年に廃止され、使用されていないのですが。

このような水道施設は安全管理のため、自由に立ち入りすることが出来ません。

走水水源地の場合は隣接した海水浴場の駐車場に湧水を汲める水道はあるものの
施設自体は敷地外から眺めるくらいしかできません。

昨年夏に青葉が出した日本遺産の同人誌も残念ながら
敷地内にある鉄筋コンクリート造浄水池の写真が無く、
泣く泣く引用という形で市のサイトに上がっている写真を掲載するより有りませんでした。

しかし毎年桜の咲くこの時期は、一週間程度開放イベントが行われており、
それに合わせての訪問となります。


先週のスプリングフェスタから引き続き、週末のみ天気が悪いという……
しかし今回を逃せば来年まで機会が無いでしょうから、多少の雨でも向かいます。

京急浦賀線の馬堀海岸駅を降り、ここからは徒歩で向かいます。

途中、古めかしいトンネルが2本。走水隧道です。


走水からの水道管を敷設するために掘られ、
のちに車馬による交通路を確保するために拡張されて現在に至ります。

幅は道路一車線ほどなので
現在は走水方面から来る車のみが通れる一方通行で、
走水方面に向かうには海寄りに作られた道路を使うしかありません。
バスだと行きと帰りで別々の道を通るので面白いです。


馬堀海岸駅から徒歩15分程度で到着。


国道26号沿いにあるイギリス積みの赤れんがの建造物は
明治35(1902)年に作られた煉瓦造貯水池。
国登録の有形文化財で、日本遺産の構成文化財の一つでもあります。

開放された門から中に入ると、右手にありました。


鉄筋コンクリート造浄水池。

明治41(1907)年に建設された日本最初期の鉄筋コンクリート建造物の一つだそうです。
内部は鉄筋コンクリート造の五連馬蹄形ヴォールト。
外壁には石で縁取りされた丸窓が……と説明にはあるのですが
内部は見えないのですよね。

何かの機会に舞鶴の旧北吸浄水場第1配水池のように
内部の写真を撮って公開して欲しいものです。

この一週間、たいして気温が上がらなかったこともあり、
桜の開花状況は先週のスプリングフェスタとさほど変わらず。

咲いている桜もあるのですが、大部分がまだ固い蕾のままでした。


敷地内に石の指標がありました。
しかし掘られているのは「陸軍省」?
横には年月日が書いてあるのですがよく読めません。
大正年間なのかな。



ざっと敷地を巡ると古めかしいものがいくつもあるのですが
知識がないもので水道関係っぽいのですが、何なのかよくわかりませんでした。


隣接した駐車場の蛇口で走水湧水を汲んで撤収。

時期が良ければ桜満開で綺麗なのですけど、
間近に写真を撮れただけでも良しとして、来年にまた来るよりないですね。

走水をあとにして、衣笠へと向かいます。

衣笠「はいふり」ファンイベントへ

桜の散策 走水水源地

2017年3月25日(土)~4月3日(月) 9:00~17:00
URL:http://www.water.yokosuka.kanagawa.jp/event/sakura2017.html

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