鎮守府新聞ワレアオバ│Naval District Newspaper Ware Aoba

遠征報告:第十七駆逐隊、呉へ (1日目)
2017.07.01

どうも、青葉です。


羽田空港に来ています。
これから空路で広島に向かい、呉へと参ります。

今回の呉訪問の目的は
なんと『同人誌即売会に出る』ため。

昨年、村雨の慰霊祭の折に知己を得た金星司令が
17駆逐隊オンリー即売会「司令、笑ってるうちにやめような」の主催をやってらっしゃるのですが
是非ともサークル参加をしてください(しないとどうなるかわかってるね)
という要請を受けたので、(逆らえず)参加することにしたのであります。

青葉は同人活動はかれこれ15年以上やっておりますが、
全くと言っていいほど儲かっておりませんので。
遠方で開催される即売会に参加するのって初めてなのですよね。

まあ、そんなに出るわけでも無いので
即売会半分、観光半分という感じで参加します。

青葉は飛行機が苦手なので可能な限り空路は使用したくないのですが、
夏の有明海戦前でありますし、価格などを鑑みるに致し方なく。


8時40分発の飛行機(JAL255便広島空港行)のために羽田空港へは1時間前入り。
昔に比べて搭乗時間がだいぶ短縮されたとはいえ、
こういう時間がまた無駄に思えてしまうのですよねえ。

待ち時間に旅客機などを撮っていたら、
垂直尾翼に日の丸が付いた飛行機が見えました。
あれ?これってもしかして……

日本国って書いてありますね。これが政府専用機というやつですか。
珍しいものが見れました。


そして時刻となり搭乗。
青葉も機上の人となりました。

この日は生憎の空模様で富士山とか見えませんでしたが、


眼下には雲が多く、まさに空を飛んでいる気分が味わえました。


2時間ほどの飛行で広島空港に到着。

呉へはリムジンバスで参ります。


今回はお供に陽炎ちゃんのぬいぐるみを持ってきました。

ここで横須賀でよく行動を共にするKRO司令と合流。
同じ飛行機に乗っていたハズなので、搭乗前に会うかなと思っていたのですが……謎です。

1時間ほどバスに揺られて呉駅に到着。

呉はすっかりいい天気でした。

まずは、てつのくじら館に向かいます。

こちらは海上自衛隊の広報施設で、
主に海上自衛隊創設の発端となった掃海作業と潜水艦についての展示がされています。

カフェコーナーでは同館に展示されている潜水艦「あきしお」に因んだ
「あきしおカレー」が食べられます。

退役艦なので呉海自カレーには含まれないそうですが。
昨年来たときは残念ながら売切れでしたので、今回はリベンジなのです。


潜水艦型に盛られたライスがカレーの海で航行中。
美味しかったです。


『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のアニメ版のキャラが描かれたハンドタオル。
作者とコミック版の著者のサインが飾られてました。
あれって陸自の話じゃなかったでしたっけ?


あと海自独自の萌えキャラポップも。


食後は大和ミュージアムそばの大和波止場へ。
戦艦「大和」の左舷側の艦首から艦橋までを模した公園です。

この艦首部分で……

やってみた。

現在、富士急ハイランドでは実物大瑞雲を展示した艦これコラボ「瑞雲ハイランド」が開催中。
青葉は諸々の理由からまだ行くことが出来ていないのですが、
当地へ行ったフォロワーのPrizzさんから瑞雲法被を頂き、今回の旅に持参しました。

写真はKRO司令に撮ってもらいました。
満足。


その足で大和ミュージアムへ。
本当はゆっくりと見たいところなのですが、この後に予定があるので速足で。


青葉の進水式で使用された斧
2年前、進水式の企画展のときにもこちらで見たのですが。
去年来た時もこういう風に展示されていましたかねえ?


青葉の主砲尾部
改装時に取り払われたものだそうです。

企画展は呉市によって行われた大和の潜水調査の成果発表「海底の戦艦大和」

興味深い内容で、大和の実物大艦首模型などが飾られていていました。


売店で企画展のガイドブックが売られていたので購入。
オールカラーで300円って、どうやったらこんな低価格で出来るのやら……


いよいよタイムリミットが迫っていたので、慌てて大和ミュージアムをあとにして呉駅へ。
お隣の新広駅へと移動します。

新広駅そばの呉市役所広市民センターにて、
十七駆に所属した駆逐艦「磯風」の元乗組員さんのお話を聞く会が
即売会のプレイベント的な感じに行われるのです。

このままではやや遅刻。
金星司令から確認の電話が来てしまいました。
すみません、青葉は呉を今出ました。

新広駅到着。すぐさま市民センターへ。


「駆逐艦磯風を語る会」。これですね!

遅刻したので静かに入室。
後で書き出せるように音声録音をと思ったのですが
スマフォの録音アプリが途中で切れちゃうなど使い物にならず断念。

以下、青葉の取ったメモからのまとめです


「磯風」元乗組員のKさん。

海軍に入って、まず海兵団では4等水兵。
駆逐艦「浦波」に配属されて3等水兵に。

「浦波」には1年間勤務。運良くケツバットなどは受けなかった。
2等水兵に昇格し、砲術学校へ半年間学んだ。
※おそらく「横須賀砲術学校」。現在の米軍基地内にあった。

その後「磯風」に乗り組み。
真珠湾攻撃から空母護衛に参加。

真珠湾へ向かう時は一番時化る海を補給を受けながら行き、
すごく寒かったとのこと。

Kさんは坊ノ岬沖海戦前に高等練習(?)のために「磯風」を退艦されたそうです。

戦後のお話や今も各地の慰霊祭へ参加されている話などありましたが割愛。
非常にお達者な方で、奥さんを病院に送り迎えするため、
いまだに車の運転をされているそうです。(ただし県内限定とのこと)

お話のあとに、会場では質問タイムがありました。

*浦波に乗ってた頃の思い出は?
戦争前にトラック島へ行った。
戦争が始まるまではのんびりしていて、ボートをおろして自由だった。
木で熟れたバナナ(モンキーバナナ)を食べたことを覚えている。
現地人にタバコ1本で30本くらいの房をくれた。1箱あげたら山ほどくれたので、砲塔内に隠した。
あれ以上のバナナは食べたことが無い。あの味は忘れられない。

*真珠湾攻撃では航空部隊が活躍。 駆逐艦乗りとしてどう思われましたか?
真珠湾が見えたわけではないので、あまり感じることはなかった。
戦後慰霊祭でハワイへ行ったときにミズーリを見たりした。
日本は少ない兵力なのに、死んで帰れという教育をされることになんの意味があるのか。
そんなのでは勝てる訳がない。

*ミッドウェーのときはどうされていましたか?
2番砲塔の中に居た。
赤城、加賀、蒼龍が黒煙をあげていて、もうこの戦争はダメだと思った。
生き残った人を助けるのに大変だった。

*お風呂はどうされていましたか?
駆逐艦では入れない。南方ではスコールを浴びたりしていた。
大和に映画を見に行ったり、お風呂を借りに行ったことがある。これが船かと思った。
入湯上陸というのもあった。

*他の戦況とかは聞けたんですか?
戦闘中は砲塔に入ってしまうので外の様子はわからなかった。
後に艦橋から指揮する配置になるとよく見えるようになった。
戦争の他の戦況などは全くわからない。

*軍事郵便について
奥さんが筆まめで束になった手紙をもらった。受け取るときは呉で。
船から出すときは検閲があったので、あまり出さなかった。

*南方ではどうでしたか?
あつい。砲塔の中では裸か半袖半ズボン。
(砲塔には)扇風機もなかった。

*男所帯でにおいは?
覚えてない。気にならなかった。

*配属の希望などは聞いてもらえたんですか?
そういうものはなかった。
言われるままに行った。

*長迫公園の慰霊碑が十七駆で併せてあるのはどうしてか?
谷風、浦風の生存者が少なく、単独では難しいという事で十七駆で建立している。

*駆逐艦の砲塔には何人配置についていた?
それぞれの砲塔には六人ずつ詰めていた。

*間宮について覚えていることがあれば
(間宮は)聞いたことない。

その他にもいろいろあるのですけど、まとめられるのは以上です。

最後はKさんを囲んでの記念撮影でお話を聞く会は終了となりました。
貴重なお話をありがとうございました。

しかし全海軍将兵のアイドルと思われた「間宮」は、存外に知られていなかったんですねえ。


呉に戻りました。

宿に行きます。

今晩泊るのは「ビューポートくれ」。

2014年に呉に来た時も実は同じところに泊っていました。
昨年、慰霊祭出来た折は予約できなかったので別の場所にしたのですが。

今回こちらにこだわったのは……明日の会場がこちらだからだったりします。
部屋から徒歩0分で会場にというのをやってみたかったので。

こちらは和室と洋室があるのですが、

海側は和室のみというので、今回は和室を選択。
少しでも宿泊費を安くするためにKRO司令とシェアしました。

部屋からは呉の様子が一望できます。

手前は海上自衛隊呉教育隊。
もともと呉鎮守府海兵団があった場所だそうです。

そのため、呉駅方面からは引き込み線の跡が残されています。

さて、夕食を取りに呉の町へ。

ここでフォロワーのよーやん司令と合流。
よーやん司令は海自カレーのために呉へと通うチバニアン。
今日も昼間は海自カレー制覇のために回っていたそうです。


最初はよーやん司令ご推薦のビアバー「オオムラ亜」へ。
大正時代のビールサーバーを使用しているのだそうです。

昨年9月に呉へ来た時にもおすすめされたので寄って見たのですが
行った時間が遅かったせいか、閉店するところで入れませんでした。

今日は割と早い時間だったのですんなりと入店。

店全体が昭和感を覚えるレトロな雰囲気でしたが、
古くから営業しているわけではなくそういうコンセプトのお店だそうです。


やや薄暗い照明に黄金色のビールが映えます。
つまみも、がんす(魚のすり身にパン粉をつけて揚げた物)や広島名物の花ソーセージなど。

こちらでは口を湿らせた程度で次の店に移動。

途中、よーやん司令の知人で、
明日の即売会にもサークル参加するという灰菱司令と出会ったので、そのまま合流。

灰菱司令は地元(といっても車で1時間以上かかるそうですが)の司令官で
海軍墓地のある長迫公園の清掃ボランティアのまとめ役をやっているとのこと。
※もともと別の方がやられていたのを引き継いだのだそうです。


2件目は居酒屋「利根」本店。


そして店内に貼ってある明日の告知ポスター。
※後で聞いた話では主催御一行が2階席で宴会していたそうです。

呉では呉総監、池太郎海将の指導方針「愚直たれ」にひっかけた
「愚直タレ」というのが昨年10月にできたそうで、
呉市内の飲食店ではこの「愚直タレ」を使ったメニューが味わえるそうです。

ちなみに呉総監による認定制。

居酒屋「利根」さんでは3種のメニューがありましたが、

「愚直タレ!あざむかない蒸し鶏」を注文。


その他、呉名物の「鳥皮の味噌煮」、「はっさくサワー」をいただき、

呉海自カレーとなっている「とね」カレーを締めに。

居酒屋「利根」にて灰菱司令と別れ
よーやん司令と呉市役所近くの屋台通りに行ったのですが、
残念ながらお目当ての屋台は満席で入れず。

よーやん司令とも別れ、KRO司令と「海軍さんの麦酒館」へ。

それぞれアルトとケルシュというビールを注文。
広島名物「せんじ揚げ」をつまみに一杯頂きました。

呉は本当に美味しい店がいっぱいです。


第十七駆逐隊、呉へ (2日目)に続きます。

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